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  <title>∴空を見上げて</title>
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  <description>そうしていつか見上げた空が、青く澄んでいると願って。</description>
  <lastBuildDate>Sun, 04 Mar 2012 08:16:13 GMT</lastBuildDate>
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  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <item>
    <title>∴空を見上げて　後書き</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
　&hellip;まあ、後書き、といえるほど大したものではないんですが。<br />
<br />
　まず、ここまで読んでくださったあなたに、心の底から感謝を。<br />
<br />
　中途半端・不完全燃焼な感じで終わってしまったことには、謝罪を。<br />
　う～～～ん。まず始まりが見切り発車的な出だしだったからなあ。どう進めるかとか全く考えてなかったことが、原因です。ハイ。&hellip;えと、ほんとにゴメンナサイ；；<br />
　とりあえず、「&there4;空」としては、利央がある程度成長して、夢が叶ったと自覚した&ldquo;ここ&rdquo;で一応、完結、ということで！　お願いします。<br />
<br />
　利央と冬夜たちのこれからについては基本的に番外編で書いていこうと思います。<br />
　ていうか、書きます。むしろぜひ書かせてください&hellip;！（ぉ）<br />
　ふふふ～、楽しみ～ｗｗ<br />
<br />
　基本的に、そちらはコメディ一色になるハズ。たぶんね！たぶん！少なくとも今考えてるのは！&larr;一気にハードル下がったぞ&hellip;？<br />
　いやあの&hellip;途中で（岩月が）疲れて、ちょいちょい落ちるかも～的な要素は、あったりなかったりします、が&hellip;ごにょごにょ（ぇ）<br />
<br />
　ともあれ、ようやく利央さんの行動範囲が《水の都》より外にも及びましたからね。ようやく！　本編終了してようやく！<br />
　ここから先は遠出とかもありえるかも！&hellip;と。<br />
（本編で本人が語ったとおり、彼女はそれに囚われておりましたので、碌に旅行もしておりません）<br />
（高校入学当時に、「青い空を見たこと無い」ので、イコール、元々家族の性質的に、旅行をしてなかったような節も見られますが）<br />
<br />
<br />
　つまりは、利央さんはこれから先もっともっといろんなことを知りましょうね～、という話なのでした。（&hellip;そうか？）<br />
<br />
<br />
　それではこのへんで。<br />
　やっぱり大した話もありませんでしたが（苦笑）<br />
<br />
　重ね重ね、読んでくださった方々に感謝いたします。<br />
　ありがとうございました。<br />
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/9/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a></font></span><span style="font-family: Arial"><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
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    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 13:26:25 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>あたしだけの空</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%"><br />
　―――ザーーーーー&hellip;<br />
<br />
　雨粒が落ちる音が絶えず鳴り続けている。それはあたしにとっての変わらぬ日常。<br />
　―――訂正。この頃はちょっと変わったかも。<br />
「せんせぇー」<br />
　資料室というプレートが付いたドアを開ければ、建て付けが悪いのか、がらがらがら、と音が出る。あたしの声はそれだけで全て掻き消された。不愉快。開けてから喋ればいいのだけれど、どうもせっかちな性格の所為か、それができない。ああもう相変わらずうっさいな、と心の中で理不尽ともとれる文句を言いながら、目的の人物を捜す。<br />
　その姿は、すぐに見つかった。<br />
　きちんと整理されたその場所は、埃ひとつない、とまでは言わないが、まあ他の教室と比べて綺麗な方だろう。その場所で先生がコーヒーを飲む姿は、何気に様になってる。&hellip;なんで資料室にコーヒーメーカーなるものがあるのかは、長年の謎なんだけど。<br />
「あら、ほんとに来たんだ」<br />
　からかいを含ませた言葉に、頬を膨らます。<br />
「来ちゃだめでしたぁ？　あたし、このギリッギリの部活の継続に貢献してあげようかなぁ、なんて思ってるんですけどぉ～」<br />
「そんな恩着せがましいのは要りません」<br />
　キッパリと言われると、虚勢を張っていた手前、どう続けたものかと、困る。<br />
　むにゅむにゅと口を動かしていると、向こうからくすくすという笑いが漏れてきて、あたしは「やられた」と顔を歪めた。完璧に、今のは負けだ。図られた。<br />
「&hellip;先生、意地が悪い」<br />
「そんなこと言う子には、これあげませんよ～？」<br />
「わーっ、嘘うそ！　訂正します！　訂正しますからっ！」<br />
　ひらひらと先生が軽く揺らすソレが、自分の目的のものだと瞬時に悟る。ちょーだいっ、と手を出せば、先生はやっぱりくすくす笑いながらも、ぽんとそれを乗せてくれた。こういうところで、先生の素直さっていうか優しさ？が滲み出る。<br />
　そんなことより、今はこれだ。<br />
　にんまり、と唇が弧を描く。<br />
　試しに、上の方に掲げて見る。それはあたしの目にとても綺麗に映った。<br />
　―――青い空。<br />
　あたしの&ldquo;いつも&rdquo;を変えたもの。<br />
　ほうっと感嘆に息を吐けば、また正面の先生に笑われた。ちょっとムッとする。<br />
「なんですかぁ」<br />
「いや&hellip;懐かしいと思っただけ」<br />
「懐かしい？」<br />
　どこらへんが？<br />
　そう訊こうと思ったけれど、先生の目があまりに優しかったから、なんとなく気が引けてしまって、それ以上踏み込めなかった。<br />
　それに気付いたのか気付いていないのかはわからないけれど、先生はそんな目をしたまま続ける。<br />
「そ。&hellip;&hellip;&hellip;あの頃はまだこの部屋もぐっしゃぐしゃだったなぁ」<br />
「なにそれぇ」<br />
　わけがわからない。もっとわかるように言ってほしい。<br />
　とはいえそれは、完全に先生の独白であって、あたしに聞かせるためじゃないようだから、仕方ないのかもしれないけど。<br />
　あたしはつまらなくなって、何かないかと視線をそこらへ泳がせる。すると、先生の机の上に、綺麗な写真立てに入れられたソレを発見する。<br />
「わあっ、なにこれ！　なにこれ！　先生わかーい！　あ、今でも若く見えるけどっ！　ねえねえ、この隣の男の人って、先生の旦那さん！？」<br />
「え？　ああ、うん、そう。旦那」<br />
　へえええ。<br />
　クールビューティーって感じ！　先生とおんなじ！　ああでも、先生見た目に反して抜けてるからな～。この人がしっかりしてたら、それこそお似合いだよね！<br />
　&hellip;なんて、若干上から目線なのは、あくまで心の中で呟いているから。<br />
「目、空みたい&hellip;」<br />
　今しがた貰った写真とソレを見比べて、思う。<br />
「そうでしょう？　だから先生ね、毎日綺麗な空が見れるの」<br />
　自慢げにのろける先生は、でもすごく幸せそうで、<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;いいなぁ」<br />
「ふふ」<br />
「ずるーぅい」<br />
「ふふふふ」<br />
　いじけて机に突っ伏すあたしと、笑う先生。そんな変な図ができあがっていた。<br />
<br />
「あ～あ」<br />
　先生から貰った空の写真をひらひらと動かしながら、ぽつりと呟く。雨の音で全て掻き消されてしまうから、独り言をぶつぶつ言ってる痛い子、には見られない。それだけはこの雨に感謝しなくちゃいけない。<br />
「あたしもあたしだけの空が欲しいなあ」<br />
　なぁんて。でもそう思っちゃうのは仕方ないよね。先生がすっごく綺麗に笑うんだもん。憧れちゃうよ。それか、ゴチソウサマデシタ、って感じ？<br />
　もー。<br />
　&hellip;探してみようかな、なんて思ったのは、秘密です！<br />
<br />
　そうして、あたしは空を見上げる。<br />
　灰色の空。灰色の雲。<br />
　だけどこの空のどこかに、あたしだけの青い空がある。&hellip;はず！<br />
&nbsp;</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a></font></span><span style="font-family: Arial"><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;<br />
</span></p>
<p><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">（後書き）<br />
</span><font color="#ffffff"><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">　●●年後のお話。<br />
　こんな風に受け継がれていくこともあるかと。<br />
</span></font></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.０　水の都にて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%90%E3%80%80%E6%B0%B4%E3%81%AE%E9%83%BD%E3%81%AB%E3%81%A6/%E3%81%82%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%AE%E7%A9%BA</link>
    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 12:57:42 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>Ａｃｔ.６－９</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">「これ&hellip;」<br />
　その先が出てこない。<br />
　遠い向こうの山の隙間から、太陽が微かに顔を覗かせている。その光は未だまだらな雲をまるで切り裂くが如く走り、それ自体を淡く鋭く照らしていた。それとは別に垣間見える青色。<br />
　知らず、身体が打ち震える。いつか見た、あの空の写真と、同じくらいの衝撃。―――否、その時よりも、感動が勝る。<br />
　ああ、これが空か。<br />
　これも、空か。<br />
「どうして」<br />
　それに続く疑問が、うまくまとまらない。冬夜の顔が見たい。けれど、それは叶わない。あたしは、この空から目を離せない。<br />
　リュックには、習慣として持ち歩いているカメラがある。手のみでそれを探（さぐ）り当てると、構えた。シャッター越しに映る空を目に焼き付けて、シャッターを切る。何度も、何度も、何度も。<br />
　一瞬一瞬が、違って見える。実際違うのだろう。あたしは日が半分ほど顔を出したところで、ようやくカメラから意識を離した。<br />
　はっ、と息を吐く。そこでようやく、自分の呼吸がいやに浅かったことを自覚した。深呼吸。それでも空から目が外せないのは、何故か。<br />
「どうして、冬夜は」<br />
　再び置いた問い掛けに、冬夜が隣で、フッと笑った。<br />
「利央なら絶対、撮るだろうなと思ったから」<br />
　その割に、声はどこまでも真摯なものだった。朝日はまだ上がっている途中だったが、今度こそ、あたしは空から冬夜に視線を移した。<br />
　いつから見ていたのだろう。<br />
　彼と目が合う。いつもと同じ無表情。けれどその空色の瞳の奥に、優しい光を見つけ、あたしの心はドクンと大きく高鳴った。<br />
「見せたかったんだ、俺の宝物」<br />
「&hellip;宝物？」<br />
　そう、と冬夜は頷いた。<br />
「小さい頃に、親に反発して家を飛び出した。すぐにじゃなくて、その日の深夜ってところが、俺らしいといえばらしいんだけどな。行く当てもなくて、人がいるところはなんとなく怖くて、森に入った」<br />
　今思えば、そんな時間帯に森に入ることの方がよっぽどか危ないって感じだけど、と小声で付け足す。<br />
　しかしその行動によって、彼は見つけたのだ。この美しさを。<br />
　幼いながらに、それは大きな感動をもたらしたらしい。一瞬広がる空。次の瞬間には、雨が降っていたそうだ。それすらも綺麗に映ったのだと言う。<br />
「だけど見たのはそれっきりだったな。その次の日から、心配した親から監視が始まったから。正直なところ、ここに戻ってきて、利央に会うまでは忘れてた」<br />
　一度思い出したら、まるで絡まっていた糸が解けるように、その情景も、感動も、全てが甦った。道順だけは朧げにしか思い出せなくて、一度確認しに来たらしいけど。それもあたしに見せるためだと言外に伝えられ、多少ばかり照れ臭くなる。<br />
「利央」<br />
　ん、と聞こえるか聞こえないかぐらいの返事をする。利央、ともう一度呼び掛け。なに、と今度は聞こえるくらいの声で返した。<br />
「―――夢は叶ったか？」<br />
　少し間を置いてから、冬夜は確りとした口調で、あたしに言葉を投げかけた。<br />
　夢。<br />
　何度となく口にした、夢。<br />
　心の片隅で、あくまでこれは夢として終わるのだと思っていたもの。<br />
　あたしは空を見た。青い空だ。青い空が広がっている。あたしの目の前に。<br />
「叶ったよ」<br />
　叶えてもらったよ、今ここで。<br />
　その想いは、きっと口に出さなくたって通じてる。<br />
「ありがと」<br />
　今度は、何が、と訊き返されることはなかった。<br />
　その代わりのように、ぽつ、と音が鳴る。<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;あ」<br />
　ぽかんと開けた口に、また一粒。<br />
　こんなことってあるだろうか。まるで奇跡だ。このタイミングで、雨が降るなんて。<br />
　おそらくそれは偶然。いや、おそらくでもなんでもなくて、確実に、そう。だって、そんなのを操作できるような能力なんて、持っているはずがない。<br />
　だけど今は、今だけは、あたしたちがこの雨を降らしたのだと思いたくなった。そんな奇跡を起こしたのだと。<br />
　パサリ、と頭に軽いものが当たる。どうやら冬夜があたしに合羽を被せてくれたようだ。自分もそこに入っている。二人が入っても大丈夫なくらいの大きさだ。あたしも出そうと思いリュックに手を掛けたが、―――やめた。<br />
　今はこれでいい。冬夜との身長の差の関係――彼がしゃがんでくれているおかげで、まだなんとか縮まっているが――で、雨が降りこんでくるが、これくらいは許容範囲内だろう。<br />
　そこまで強くない雨足は、いつもなら傘で済ませる程度のものだが、たしかにここで傘はきつい。どっちも持ってこいとは、そういう意味だったのか、と今更ながら納得する。<br />
　青い空から、雨粒が降ってくる。<br />
「天気雨だな」<br />
「天気雨？」<br />
　なるほど、そういう言い方をするのか。<br />
「狐の嫁入りとも呼ばれる」<br />
「ふうん&hellip;」<br />
　じゃあ、水の都に雨が降らなくなったのも、狐に化かされたためだろうか、などと考える。<br />
　それきり黙って空と雨を無心に眺めた。青色がやがて塗りつぶされて、いつもの灰色になった頃、ようやく冬夜が口を開いた。<br />
「帰ろう」<br />
　それに、こくりと頷くことで答える。リュックから合羽を取り出す。帽子まで被ったのを確認した冬夜が、あたしの上にも被せていたソレを身にまとった。<br />
　―――夢は叶った。<br />
　ならば、これからはそこからまた新たな夢に向かって、踏み出そう。<br />
　雨が降って地が緩んでいるからと、冬夜が手を差し出している。あたしはそれを掴んだ。案の定途中で滑ったが、倒れる前に支えてくれる人がいる。<br />
<br />
　空を見上げる。<br />
　空は灰色。いつもの灰色。そこから水の粒が落ちてきている。<br />
　ここはそれでいい。<br />
　気まぐれは一度だけで十分。<br />
　今度は、あたしが見に行こう。いろいろな空を。自分の足で。<br />
　あの写真の空だって、自分で見に行けばいいのだ。<br />
　そう思うと、わくわくした。ここからだ。今が、始まり。初めの一歩。<br />
<br />
　そうすると、この空だって、そう悪くはないか、なんて。そんなことも思えた。<br />
　ここは地獄ではない。<br />
　続いている、もっとずっと向こうまで。別の色を見せる、あの空まで。<br />
　それがわかっただけでも、見上げ続けた意味があるのだ。<br />
&nbsp;</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/8/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a>　　</font></span><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/10/"><font color="#3366ff">後書き&rarr;</font></a><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
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    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 12:55:08 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>Ａｃｔ.６－８</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">「ぅわっ」<br />
「っ、と」<br />
　足場が悪い、というのは本当だった。<br />
　足を取られて転びかけたあたしを、冬夜が慌てて手を引っ張り、引き起こす。危なかった。これで何度目だ。<br />
　整備されていない道というのは、本当に歩き難い。草が足に絡まるわ、時々木の根っこが出っ張っているわ&hellip;。それにプラス、ちょっとした坂道が続いているから、というのもある。<br />
「あ、ありがと&hellip;」<br />
　安堵のため息と共に、感謝の言葉を告げる。<br />
「ん」<br />
　ぶっきらぼうに返されたが、別にいちいち面倒だと思われているようでないことは、その声色から想像できる。それくらいの信頼関係は積んでいるつもりだ。<br />
「もう少しだから、我慢して」<br />
　ともすれば突き放すようにも聞こえる言葉には、申し訳ないというオーラがひしひしと伝わってくるので、苛立たない。たしかに彼は口下手なところもあるかもしれないが、それは何を考えているのかわからないというのとイコールでは繋がらない。もちろん、わからないことだってある。でもそれは、なにも冬夜に限ったことではない。<br />
　ああ、でも初対面の時は、彼のこと、ぶっきらぼうで嫌なやつっぽい。とか思ったのだったか。そうそう離れたことでもないのに、遠い昔のように感じる。<br />
「冬夜ってさ」<br />
　不意に、前々から気になっていたことを口に出してみたのは、きっとそんなことを思い出したからだ。<br />
「どうして転校してきたの？」<br />
　彼は一瞬だけこちらに目を向けたが、すぐにそれは元のように、懐中電灯が照らす先と、それから自分たちの足元への注意へと戻る。だが、聞いていないというわけではないだろうし、答える気が無いのならそうと言う人だ。何も言わないということは、訊いてもいいと判断して問題ないだろう。<br />
「あの時期っていうのも、なかなか珍しいよね」<br />
　彼は無言だ。考えているのだろうか。それとも、本当は訊いてはいけないことだった？　読み違えたつもりは、無いのだけれど。<br />
「俺さ」<br />
　ゆっくりと、喋る。それが、彼のいつもの喋り方だ。<br />
「小さい頃――だから、つまり、小学生の低学年くらいの頃だな。その歳までは、こっちに住んでたんだよ」<br />
「へえ、そうなんだ」<br />
　じゃあ、高校に入ってからここに――水の都に戻ってきた、ということになるのだろうか。それにしては、傘や合羽を忘れたりとしていたけれど。<br />
「なんで引っ越したの？」<br />
「親の転勤の関係。今回もそう。さすがに海を越えた向こう側までついていくのは勘弁だったから」<br />
　冬夜の――ひいては夏夜先生の両親は、結構あちらこちら飛び回るような職に就いているらしい。もしかしたら彼女のあのフットワークの軽さというか、自由奔放な性格というか、そういうものは親譲りなのかもしれないな、と考える。冬夜も、ぱっと見ではわからないが、そんな一面があるように感じる。例えば、今回のこととか。<br />
「俺はその土地で一人暮らしする予定だったんだけど、親父たちが心配してさ。姉貴のとこに厄介になる形で、こっちに転校してきた」<br />
「抵抗とか、なかったの？」<br />
　小学校低学年から、というのが正確にいつのことなのかはわからない。だが、大きくなってからの転校の方が抵抗感が強まるのは事実だろう。小さいうちなら、友達だって割かしすぐにできやすい。でも、成長するにつれて、ある限られたグループやらに固定されてきて、そこのどれかに入るというのは、なかなか難しいことだ。かくいうあたしだって、結構限られた中で生活している。別に自分のいるグループ以外の人たちと仲が悪いとか、そういうことを言っているのではない。むしろ良い方だろう。普通に話せるし、普通に笑える。でも、違う。そういうもんだ。<br />
　―――とはいえ、今の彼の生活を見るに、特別そういう問題に巻き込まれている風ではないが。あたしたちとも仲が良いし、ハギさんたちのグループにも、難なく馴染んでいるし。それも親から譲り受けたものなのか、はたまた彼自身の性格か。<br />
　どちらにせよ、それはただの結果から見たことである。事前の不安は、やっぱりあるだろう。なにせ、それまでの生活が一変するのだから。<br />
　あたしだったらできるだろうか。<br />
（―――できたら、&ldquo;ここ&rdquo;に留まり続けてなんか、ない、か&hellip;）<br />
　ふ、と自嘲気味に笑えば、それを知ってか知らずか、冬夜が「あるにはあったけど」と答えた。<br />
「なんとかなるだろ、って考えてた。なんとかならなくても、その時はその時だし」<br />
「そういう考え方は、冬夜っぽいね」<br />
　諦観、ではなくて。受け入れて次に進むことができる、強さ、のようなものだ。あたしは持ってない。持てたらいいとは思うけど、思うだけで手に入れられるようなものだったら、誰だって苦労しない。彼の場合は、幼少時に一度転校を経験しているというのもあるのだろう。もしかしたら、一度だけではないのかもしれないけれど。なにせ、彼の両親は多忙そうであるので。<br />
　と、そんなことを考えていたら、再び足を取られた。危ない。また冬夜に助けられる。<br />
「あ、ありがと」<br />
　さすがに恥ずかしくなって、声が上擦る。今回のこれは、完璧にあたしの不注意だ。余計なことを考えて歩くもんではないことは、ちゃんとわかっていたはずなのに。―――そう、わかっていたはずなのに、間違える。それがあたしだ。<br />
　しっかり自分の足で立ち上がって、けれど冬夜はあたしの腕を掴む力を緩めない。<br />
「&hellip;冬夜？」<br />
　名を呼べば、一瞬力が緩み、だがすぐにまた、いっそう強く、力がこもる。<br />
「俺は」<br />
　力のある声だ。<br />
「俺の考えは、単に執着していないだけだから」<br />
　でも、何が言いたいのか、わからない。<br />
「ただそれは俺がそうしてないってだけで、&hellip;俺は自分がそう考えることを、別に間違ってるとかは思ってないけど、でも」<br />
　ゆっくり、ゆっくり、言葉を慎重に選んで、彼は続ける。<br />
　次第に輪郭を持ち始める話の終着が見えた気がしたが、最後までその継ぎ接ぎだらけの不器用な言葉を聞いてみたくなって、あたしは黙った。<br />
「何か、これでもかってくらい大切にできるもんとか、執着見せれるもんを持ってるってのも、すごく良いと思う」<br />
　静かに続く言葉は、やっぱり力があって、だというのに、無駄に力んだ調子が無い。<br />
「だけど&hellip;その所為で前にも後ろにも進めなくなってるのは、単に弱いだけってことだよ」<br />
「そうか？　俺はてっきり、休んでるだけなんだと思ってた」<br />
　大真面目な顔でそんなことを言う冬夜に、一瞬呆気に取られ、それから思わず噴出した。なんだ、それ。真面目な顔して言ってると、フォローしてくれているのか、それとも本心からそう言っているのか、よくわらかない。どちらにせよ、感謝はするけれど。<br />
「ありがとね」<br />
「何が？」<br />
「何がって、そりゃ&hellip;―――何がだろ」<br />
　本当はわかっていたけれど。<br />
　でも、わからないふりくらい、してもいいでしょ？　お互い様だし。<br />
　それでも思わず笑みを零せば、それを合図とばかりに、顔に光が差し込んだ。予期せぬ眩しさに顔を顰めて、「何？」と答えを期待しない言葉を吐き出せば、しかし冬夜がそれに答えた。<br />
「ああ、言い忘れてた」<br />
　いつもよりも感情が響く、誇らしげな声。<br />
「ここが目的地。俺がお前に見せたかったのは、あれ」<br />
　そう言って、掴まれた腕をそのまま引っ張られる、よろけながらも踏ん張り、冬夜の横に並ぶ。文句を言おうと彼の顔を見上げたが、その視線の先はあたしではなかった。<br />
　つられてそちらを向き、―――息を呑んだ。</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/7/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a>　　</font></span><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/9/"><font color="#3366ff">NEXT&rarr;</font></a><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
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    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 12:54:00 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>Ａｃｔ.６－７</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">　それにしても、朝三時って。<br />
　ちょっと早い、どころじゃない。かなりだ。異常なまでな早さ。なんだってそんな時間に呼びつけられなくちゃならないのか。<br />
　そんな風にぶつくさ文句を言いながらも、あたしはきっちり三時に家を出た。穿き慣れたジーパンにＴシャツ、それに少し厚手のパーカーを羽織り、鞄に合羽と折り畳み傘を入れたリュックを肩に掛けて。<br />
　やっぱり朝は少し冷え込む。これ、引っ張り出してきて正解だったな、とパーカーのポケットに手をつっこみながら思う。<br />
　そのまま家の門を出て、<br />
「はよ」<br />
　塀に凭れかかって、冬夜が一人立っていた。肩にはリュック。あたしのよりも随分と重そうだ。いや、それより、いったいいつからそこにいたのだろう。まだ日が昇っていなくて暗いためよく見えないが、見間違いでなければ、鼻の頭が赤い気がする。<br />
「お、はよ」<br />
　目を丸くしながらも、なんとか挨拶を返した。<br />
「じゃ、行くか」<br />
　言うなり、すたすた歩き始めようとする。<br />
「え、ちょっ&hellip;と、待ってよ！」<br />
　思わず大声を出した後、まだ朝早くだという事実を思い出す。やばい、近所迷惑。慌てて口を押さえる。<br />
　冬夜が立ち止まって振り返り「なに？」と不思議そうに訊く。いや、それはこっちの台詞だからね？<br />
　ひとまず彼に追いつき、隣に並ぶ。そうすると彼はまた歩き始めたので、必然的に追いかけるように隣で歩く破目になる。&hellip;別に嫌ってわけじゃないけどさ。<br />
「他の皆は？」<br />
「いない」<br />
「二人だけ？」<br />
「そう」<br />
　ますますわけがわからない。てっきり、写真部の皆でどこかに行くのかと思っていたから。<br />
「どこ行くの？」<br />
　その質問に、冬夜は黙り込んだ。やがて、ニッと、誰かを彷彿させるように、<br />
「それは着いてからのお楽しみ、ってことで」<br />
　笑った。<br />
<br />
　空を見上げる。<br />
　若干明らんできた空に、雲がぽつりぽつりと浮かんでいる。<br />
　雨はまだ降っていない。でも、これはおかしくない。<br />
　夜の《水の都》に、雨は降らない。夜の定義は、太陽が沈んでから再び昇ってくるまで、だ。どうしてそうなのかは、誰にもわからない。ただ、その事実だけを、皆が知っている。<br />
「利央」<br />
　冬夜の呼び掛けに、なに、と返す。<br />
「上向いて歩いてると危ないぞ」<br />
「あ、うん」<br />
　どうやら心配してくれていたらしい。確かに、この暗い中、足元に注意せずに歩くと危ないだろう。寒くてポケットに手を入れているから、更に危ない。あたしは空を見上げるのを止めた。<br />
　しかしどこまで行く気なのだろう。比較的ゆっくりなペースだから、今のところそこまで足に負担は掛かっていないが&hellip;。ひょっとして、その辺も考慮してくれているのだろうか。<br />
　冬夜の横顔をちろりと盗み見たが、いつもの仏頂面であるため、何を考えているのかはよくわからない。特に会話があるわけでもない。それでも不思議と居心地の悪さを感じないのは、相手が冬夜だからだろう。&hellip;あ、イオリでも同じだな。他は、駄目だ。<br />
「ここ」<br />
　声につられて、立ち止まる。<br />
「&hellip;って、ここ？」<br />
「ああ、ここだ」<br />
「&hellip;森なんだけど」<br />
「知ってる」<br />
　言いながら、冬夜はリュックをがさごそと弄（まさぐ）っている。やがて目的の物を取り出したのか、ジーッとチャックを閉める音。<br />
　カチ、と軽い音が鳴って、刹那、その激しい眩しさに目を細め、顔を手で覆う。<br />
「あ、悪ぃ」<br />
　慌てた調子で冬夜が謝って、光があたしから離れた。&hellip;びっくりした。まだ目がチカチカする。冬夜の手元からは、未だに光が漏れている。懐中電灯だ。なるほど、スイッチを入れたら、その先にちょうどあたしの顔があったらしい。<br />
「さて、入るか」<br />
　入るって、森に？　思わず冬夜の顔を凝視する。本気か、と。当の本人はそんなあたしを見事なくらいにスルーして、こっちに手を伸ばした。<br />
「え、なに？」<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;て」<br />
　声が小さい。しかも、微妙に顔が逸れているから、余計に聞き取り難い。何、ともう一度訊ねる。<br />
「手、出して。片手で良いから」<br />
　先程よりも強い口調。なんだろう、と思いながらも、右手をポケットから出した。その手を、冬夜の左手が掴む。<br />
「森の中、足場悪いから。一応保険、な？」<br />
　&hellip;ああ。なるほど。納得。顔を逸らしたのは、つまりは照れていたらしい。自分でやっておきながら。<br />
　今も照れているのか、微かに顔が赤い。それを見たら、何故かこっちまで顔が熱くなってきた。なにこれ。<br />
　冬夜の手は冷たかった。あたしの手がポケットに入ってた分、温まってたってことなのかもしれないけど。でもだからって離す気にはならなくて――――ほ、保険だからね！　うん！<br />
　て、誰に弁解してるんだか。<br />
　密かに笑ったあたしの顔に、冬夜は気付いていないようだった。</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/6/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a>　　</font></span><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/8/"><font color="#3366ff">NEXT&rarr;</font></a><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%E3%80%80%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E7%A9%BA%E3%82%92%E8%A6%8B%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%A6/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%EF%BC%8D%EF%BC%97</link>
    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 12:52:53 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>Ａｃｔ.６－６</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">「えーっと、枝折先輩」<br />
　このままでは埒が明かないと思ったのだろうか、茜くんが控えめに手を上げ、自己主張をしてから、<br />
「いいッスか、お菓子の袋は一つも開いてないッスよね」<br />
「はい。そうですよ」<br />
「つまり！」<br />
　真奈ちゃんがぴっと指を立てた。<br />
「お菓子は盗まれてなんかないってことです」<br />
「それが意味するところは一つ」<br />
「な、なんでしょう？」<br />
　&hellip;なんか、下手な探偵モノの流れになってないか。<br />
　白けた目で見ているのは、あたしと&hellip;あと、梶木先輩か。冬夜はよくわからない。いつものように無表情だ。面白がっているのは、くすくすと笑っているイオリと、によによと笑っている夏夜先生。&hellip;うん、ちょっと擬態語が違うだけで、印象ってだいぶ変わるんだね。<br />
　あとは――――あ。<br />
　あたしがこそこそとこの場を去ろうとしているその後ろ姿を見つけたのと、<br />
「「梶木先輩（さん）が嘘を吐いてる！」」<br />
　茜くんと真奈ちゃんが口を揃えて&ldquo;真実&rdquo;を示してみせたのは、同時だった。<br />
「ちょっ&hellip;なんで逃げてるんですか馬鹿副部長！」<br />
「事件ってのは普通、犯人がハイソウデスワタシガヤリマシタって簡単に白状してメデタシメデタシ、なんてならないだろ！　逃げてこその犯人だ！　それでこそ犯人の中の犯人だ！」<br />
　そういうのは、単に往生際が悪いだけって言わないか？　大体、犯人の中の犯人になって、嬉しいのだろうか。あたしだったら、むしろ願い下げって感じなんだけど。<br />
「そうだな」<br />
　しかし意外にもその言葉に同意した人物がいた。<br />
「そういうのは総じて、その後簡単に組み伏せられて捕らえられるわけだが、」<br />
　お前はどうされたい？<br />
　にっこり、と超絶笑顔で笑う逆井先輩（これアレだ。お説教モードだ）は、いつの間にか&hellip;本当にいつの間にか、逃げる梶木先輩の進路方向にどっしりと構えていた。後ろに妙なオーラを背負っている。先程の琴架先輩とは違う意味で、逆らってはいけない気がひしひしとする。<br />
　それは梶木先輩にもさすがに伝わっていたらしい。顔面蒼白で固まってる。本当にこの人は逆井先輩に対して弱いな、と思う。弱いんだから、最初から逆らわなければいいのに、とも思う。そういう意味――つまり、逆井先輩を怒らせるという意味においては、梶木先輩はまさに&ldquo;天才&rdquo;なのかもしれない。言い換えれば、自分の首を絞めることに関しては最大級に上手い、となるのか。<br />
「こ、こと&hellip;」<br />
「枝折、言いたいことがあるなら、今のうちに言っておけ」<br />
　梶木先輩の言葉を遮って、逆井先輩は笑顔のまま、琴架先輩を促した。<br />
「え？　あ、はい。さっきはすみませんでした。盗ってないのに、盗ったなんて言ってしまって」<br />
「&hellip;それは誰に対して言っているんだ」<br />
「叶一君ですけど&hellip;？」<br />
　逆井先輩の笑顔が崩れ、いつもの呆れたような顔つきになる。どうやら&ldquo;言いたいことがあるなら言っておけ&rdquo;の対象が逆井先輩だと勘違いしたようだ。たしかに主語は無かったけれど、流れ的にわかってほしいところではある。<br />
「俺じゃなくて、こっちだ」<br />
　ちなみに、この機に逃げようとしていた梶木先輩は、めでたく一瞬で捕まり、首根っこを引き摺るようにして持たれている。体勢的に辛そうであるが、同情の余地は無い。<br />
　梶木先輩は、何か（それがなんであるかは、説明するまでも無いだろう）を訴えかけるように琴架先輩を見ているが、それが伝わるくらいだったら、さっきの言葉が意味するところだって難なく伝わっているはずである。<br />
「え～っと&hellip;鎮君！　嘘を吐いたらめっ、なんですよ？」<br />
　案の定、伝わってない。<br />
　がっくり項垂れる梶木先輩を、そのまま逆井先輩が引き摺っていき、校舎の角を曲がって二人の姿が見えなくなったところで、悲鳴が響き渡った。普通に「ギャーーーーッ！！」っていう叫びだったり、「ギブアップギブアップギブギブギブギブ&hellip;ッ」というひたすら降参を訴えるものだったりしたけど&hellip;&hellip;&hellip;あれ、何が起こってるんだろうか。<br />
（や、でも、知らない方が幸せって言葉もあるし）<br />
　ここはやはり、敢えて気にしないのが賢い選択だろう。<br />
　悲鳴をバックに、ああなんて平和なんでしょう、と心の中で呟く。<br />
「で、どーします？　お菓子とジュース」<br />
　イオリが、机の上に大量に残っているそれぞれを指差した。確かに、梶木先輩と逆井先輩が抜けた状態でこれを食べ切るのは辛い。それに発案者がいなくなった今、それを無理に続ける必要は無い。<br />
　ただこの量をまた運び出す、というのも結構な苦労だ。それならせめて量を減らしてからの方が楽だろう。先生&hellip;特に生徒指導の先生なんかに見つかったらアレだが、見回りが来るのは相当後だろうし、とりあえず、こっちにも先生（一応）はいるし。<br />
　でも大丈夫かな、と不安を募らせながら夏夜先生を見ると、口がもごもご動いている。まさかと思い手元を見ると、開いていなかったはずの菓子の袋が開いている。い、いつの間に&hellip;！<br />
　あたしが夏夜先生に（正確には夏夜先生がやっていることに）気付いたのと、他のメンバーがそれに気付いたのは、どうやらほぼ同時だったらしい。視線が夏夜先生に集中した。<br />
　やけに静かだと思っていたが、もしかして、その時既に菓子を物色し、手を付け始めていたのだろうか。<br />
「ん、どうしたお前ら。食べないのか？」<br />
　ニッと笑った夏夜先生に、脱力した。<br />
「ふっ&hellip;ふふ&hellip;」<br />
　と同時に、わけのわからない笑いが込み上げてくる。<br />
　なんだ。なんか、見つかったらどうしようとか、あれこれ考えてるこっちが馬鹿みたいだ。<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;利央？」<br />
「食べれば&hellip;いいんでしょ？」<br />
「&hellip;おい、目が据わってるぞ」<br />
　机の上の菓子の袋を引っ掴んで、開く。その中身を摘まんで、口に放り込んだ。袋はそのまま机に置いておく。独占するっていうのは、みんなでパーティー、という趣旨から外れるしね。<br />
「じゃ、私も食べよっと」<br />
　イオリがすうっと手を出して、開けた袋から菓子を二、三個取っていく。<br />
　一年生二人も顔を見合わすと、それぞれ自分の好みの物を手に取る。<br />
　チョコレートがトッピングしてあるクッキーを頬張りながら、さて次は何を食べようかと悩んでいると、がしっと腕を掴まれた。一瞬見回りの先生かと思って心臓が飛び上がったが、<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;なんだ、冬夜か」<br />
「悪かったな」<br />
「別に悪くないよ」<br />
　いつものようにあまり温度の無い会話を交わす。ふと彼の手に何の菓子も握られていないことに気付いた。<br />
「食べないの？」<br />
　その質問に、冬夜は何も答えなかった。いつもは訊けばすぐに答えが返ってくるのに、珍しい。<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;明日」<br />
「なに？　明日食べるの？&hellip;土曜日だけど、明日」<br />
「違う」<br />
　どこが違うのか。訝しげに眉を寄せたあたしに、冬夜はいつもの無表情のまま、首を横に振る。<br />
「明日の朝三時に、家出て」<br />
「は？」<br />
「動き易い服装で。持ち物は、&hellip;一応合羽と折り畳みの傘、な」<br />
「え、ちょっと&hellip;」<br />
「普通の鞄より、リュックの方が好都合だから」<br />
「だから、ちょっと待っ&hellip;」<br />
「これ、貰っていいか？」<br />
　返事をするより早く、あたしの持っていたクッキーは、冬夜の口の中に消えていった。<br />
　&hellip;というか、かなり無理やり話を打ち切られたような。絶対、気のせいなんかじゃない。<br />
「とう、」<br />
　呼び止めようとした時には、既に彼は机の方へと向かっていた。<br />
　なんだというんだ、いったい。</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/5/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a>　　</font></span><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/7/"><font color="#3366ff">NEXT&rarr;</font></a><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%E3%80%80%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E7%A9%BA%E3%82%92%E8%A6%8B%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%A6/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%EF%BC%8D%EF%BC%96</link>
    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 12:51:45 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>Ａｃｔ.６－５</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">　確かに、思っていたよりずっと良かった。<br />
　というかこの二人にしては随分控えめだ。<br />
　場所は中庭。いつだったか、冬夜と話した場所。その時の自分を思い出し、ここから一気に逃げ出したい気分に駆られたけれど、そんなことをしたら余計に恥ずかしい。ぐっと堪えた。<br />
　とにかく、その場所には今、四脚の丸机（学校にはなかなか無い型だが、一体どこから調達してきたのだろう）と、その上に所狭しと置かれているペットボトル（色とりどり、種類様々なジュース入り！&hellip;本当にどこから調達してきたんだろう&hellip;？）、紙コップ、スナック菓子と、それとは別の手作りお菓子。&hellip;たぶん、琴架先輩あたりが作ってきたのだろうと思われる。<br />
「何。なんかのパーティーでもやる気なの、これ？」<br />
「さあ。どうなんでしょうね。とりあえず騒ぐ気は満々みたいだけど」<br />
　イオリの言葉に、梶木先輩が大声で返す。<br />
「いや、騒がないぞ。騒いだらバレるからな！」<br />
　だったらせめて声を静めるとか、したらどうなんだろう。ていうかなんでこの人こんなに声大きいんだろう。うちの担任の鈴木先生も声が大きいが、それに匹敵するくらいだ。親から貰った『鎮』という名前の意味を一度辞書で引いてみた方が良いんじゃなかろうか。<br />
　じゃなくて。<br />
「バレる&hellip;？」<br />
　誰に、何が？<br />
　不思議そうな顔をした面々に、梶木先輩が胸を張る。その時点で何か嫌な感じが漂ってる。逆井先輩は既に予測がついているのだろう、青筋が浮かんでいる。&hellip;いや、逆井先輩じゃなくても、何を言い出すかは大体予測がつくけど。でももしかしたら万が一違うって可能性がないこともないかもしれないし。（非常に曖昧）<br />
「いやあ、これ教師に無断でやってるからさぁ」<br />
「教師&hellip;って、そこにいるッスよ、ね？」<br />
　和羽くんがちょっと引き攣り気味の笑みを浮かべながら、ついと夏夜先生を指差す。&hellip;そうだよ。この人よく考えてみたら教師だった。<br />
「あ、そっか。じゃ、一応了承は取ってあるのか。よし、じゃあ騒いでいいな！」<br />
　&hellip;忘れてたんですか、夏夜先生＝教師だって。ていうか梶木先輩にまでそう言われる夏夜先生ってどうなんだろうか。<br />
　たぶん、その場にいたほとんどの人がそんなことを考えていたと思う。冬夜に至ってはなんか遠い目してるし。気持ちはわかるけどね。<br />
「って、待て馬鹿、お前、」<br />
「え。あれ。なあキョウ、俺もう名前がソレなの？　苗字とか名前とかの前に付くんじゃなくて、直でソレなんだ？」<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;。先生、これはちゃんと許可を取ってるんですか？」<br />
「スルーか！　ある意味一番酷い対応だ！」<br />
　喚く梶木先輩を存在から無視して、逆井先輩が夏夜先生に訊ねる。さすがにここまでくると少し可哀相。かもしれない。&hellip;だからって慰める気は毛頭ないけどね。<br />
　で、訊かれた夏夜先生はといえば、<br />
「あー&hellip;」<br />
　&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;なんでそこで詰まっちゃうかなこの人！？<br />
　一同（馬鹿を除く）全員が、固まった。そんな中で、へらっと笑って見せて、<br />
「いやまあ、バレなきゃ良いんだし。バレなきゃ」<br />
「良くないと思います」<br />
「っていうか、教師が言う台詞じゃないですよねソレ！？」<br />
「さぁって、んじゃまあ、騒ぐか！　せっかくお天道様が出てるいーい天気だしな！　こんな日は騒ぐに限る！　ほら全員好きなの注げ！　乾杯するぞー！」<br />
　全っ然、聞いてない。<br />
　っていうか、バレなきゃ&hellip;って。その音量じゃバレるだろうと思われます。この人といい、梶木先輩といい、もう少し小さい声で喋るってことを学習した方が良いよ。――ってそうじゃないよ、あたし。問題は大声出さないとかじゃなくて、その前。これを実行してるこの状況だから。ああだめだ、なんか感化されてきてしまっている気がする&hellip;。うわあ絶対嫌だ。この人たちの仲間入りなんて、死んでも嫌だ本当に。<br />
　とか思いつつ、確りジュースを注いじゃってるあたしは、本当にもうだめなのかもしれない。まったくの無意識の行動だった。それを手に持ちながら、どうして注いでしまったのだろうかと、かなり真剣に考えた。きっとこの人たちに影響を受けてるっていう理由以外に、何かあるはずだ。何か&hellip;あってください。<br />
　いつの間にか復活した梶木先輩（いつ見ても回復が早い。馬鹿だからだろうか）と夏夜先生が、「かんぱ～い！」とコップを掲げた。何故か嬉しそうだ。<br />
　他の面々は一度顔を見合わせると、控えめ気味にそれを持ち上げ、「乾杯」とぼそぼそ呟くように言う。<br />
「なんだよ。もっと元気よくやれよな～」<br />
「お前が無駄にハイテンションなんだろうが。それより馬鹿がうつるから近くに寄るな」<br />
「&hellip;&hellip;最近思うんだけどさ、キョウってどんどん俺に対して冷たくなってない？」<br />
「ほう。気付いていたか」<br />
「当たり前だろ！　なんてったって親友だからな！」<br />
　親友だったらまず、その台詞がかなりの嫌味だということに気付いてください。むしろ親友でなくても気付いてください。恥ずかしいですから。<br />
　と、口には出さずに視線だけで訴えてみた。もちろん梶木先輩は気付かない。仮にこちらに目を向けたとしても、あの人のことだからおそらくは、半眼でこっちを見てるな～、くらいの感想しか持たないだろう。<br />
「親友？　お前と俺が？」<br />
　逆井先輩の背後にブリザードが見えた。もちろん錯覚だ。錯覚じゃないとおかしい。でも本当に見えた気がした。というか現在進行形で見えてる。フザケンナコノヤロウ、みたいな感じで梶木先輩を見下ろしてる。身長的には同じはずなのに、確かにそれは&ldquo;見下ろしている&rdquo;というべき光景だった。見下（みくだ）している、と言い直した方がより正確か。<br />
　さすがの梶木先輩もこれには耐えられなかったらしい。（これには、というより、この人はいつだって逆井先輩には弱い気がするが）<br />
「うわーん！琴架ーっ！」<br />
　そこで彼女に泣きつくか。<br />
「どうしたんですか、鎮くん」<br />
　オレンジジュースの入ったコップを傾けながら、ゆっくりと首を傾げてみせる琴架先輩。梶木先輩が泣いてる（嘘だけど）ことは、全く気にしていない。気付いていないのかもしれない。むしろそっち希望で。だってもしこれがただ気にしてないってだけだったら、怖いよ！？<br />
「キョウがイジメル～」<br />
　情けない声を上げる梶木先輩に、え、と琴架先輩が目を丸くさせた。それからむう、と眉を寄せて、しばらく考え込んだ後、どことなく使命感に駆られた表情で逆井先輩の方を向く。<br />
「叶一君！　鎮君いじめちゃめっ、ですよ！」<br />
　&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;え～と。<br />
　どういう対応したら良いんだろうね、これは。<br />
　腰に手を当て、眉を吊り上げて、必死に叱ってます、みたいな感じを醸してはいるけど、如何せん琴架先輩のやること。つまり、えーと―――正直言って、全然これっぽっちも怖くない。<br />
　でも何故だか、無意味に宥めて謝りなくなる雰囲気はある。ただ、繰り返し言うけど、決してそれは恐怖ではない。なんていうか&hellip;なんて言えば良いのかなあ。わかんないけど。<br />
　もし対象があたしだったら、即刻謝っていただろう。たとえその&ldquo;いじめていた&rdquo;という相手が梶木先輩だったとしても。<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;別にいじめていたわけではない」<br />
　梶木先輩が、いつもよりも若干小さな声で弁解する。&hellip;や、&ldquo;弁解&rdquo;って言うのもおかしいか。別に言い訳をしているわけではないのだし。ちょっとばつが悪そうだけど、それは別に「ああアイツには悪いことをしたなあ」「ちょっと言い過ぎたなあ」とかそういう意図があったのものじゃない。それはわかる。わかってしまう。ただ単に、相手が琴架先輩だから悪い気がしただけ。その一言に尽きる。<br />
　と、琴架先輩の後ろからひょっこりと顔を出した梶木先輩（&hellip;情けない）が、片手を口元にあて、わざとらしく嘆いた。<br />
「う、嘘だ！　俺のお菓子奪ったクセに！」<br />
　って、ちょっと待て。違うだろう。嘘八百もいいところだ。第一、お菓子の袋はまだ開封すらしていない。少しテーブルの上を見ればわかることだ。<br />
「え、そうなんですか？　それはいけませんよ、叶一君！　人の物は盗んじゃだめです！」<br />
　&hellip;&hellip;&hellip;わかること、のはずだけどなあ。うーん、さすがは琴架先輩。ますます使命感に燃えている。<br />
　ひく、と逆井先輩の頬が引き攣った。当然だ。無理もない。完璧濡れ衣着せられたんだから。<br />
「&hellip;いいか、枝折。よく机の上を見ろ。一つでも開いた袋があるか？」<br />
　なんとか怒りを押し殺したような声は、でもやっぱり低い。それにも全く動じない琴架先輩は、大物なのかもしれない。素直に机の上に目を向け、あら、と首を傾げる。どうやらそれがどう考えても菓子を盗られるということが起こり得ない情景であるということに、気が付いたらしかった。<br />
「どういうことか、わかるな？」<br />
　さすがに、ここまでくれば。<br />
　その言葉には、そんな意味も込められていた。の、だが――<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;どういうことでしょう？」<br />
　わかってなかった。ここまできても。</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/4/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a>　　</font></span><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/6/"><font color="#3366ff">NEXT&rarr;</font></a><br />
</span><span style="font-family: ＭＳ Ｐゴシック">&nbsp;&nbsp;</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%E3%80%80%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E7%A9%BA%E3%82%92%E8%A6%8B%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%A6/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%EF%BC%8D%EF%BC%95</link>
    <pubDate>Sun, 20 Dec 2009 12:50:42 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">iwa1soramiage.blog.shinobi.jp://entry/68</guid>
  </item>
    <item>
    <title>苦労人に20の質問</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">[--]　お忙しい中、ようこそおいで下さいました。よろしくお願いします。<br />
「え？　えぇと&hellip;お願いします？」<br />
&nbsp;<br />
[01]　まず初めに、あなたのお名前を教えて下さい。<br />
「利央です。近江利央」<br />
&nbsp;<br />
[02]　さっそくですが、自分が苦労人であると言う自覚はありますか？<br />
「ない！　ないよ！　っていうか苦労はしてるけど苦労人ってほどじゃないと思う！」<br />
&nbsp;<br />
[03]　自ら大役を買って出るタイプですか？それとも、人に頼まれごとをされることが多いですか？<br />
「買って出て堪るか。まあ、頼まれ事、はされるけど&hellip;&hellip;でもあれは頼むって態度じゃないような」（某教師、某先輩を思い浮かべて）<br />
&nbsp;<br />
[04]　実は、頼まれるとなかなか断れないタイプでしょうか？<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;」<br />
&nbsp;<br />
[05]　「自分の時間」と「他人のために何かをしている時間」を割合で表すとどうなりますか？<br />
「えぇ？　うーん&hellip;&hellip;７：３くらい？　振り回されてるから、短い時間だけど精神的に疲れる」<br />
&nbsp;<br />
[06]　あなたの1日のスケジュールを、大まかで構いませんので教えて下さい。<br />
「朝起きて学校行って授業受けて、で月水金は部活でミーティング。火木は結構自由に校内動き回ってるよ。&hellip;&hellip;&hellip;普通、だよね？」<br />
&nbsp;<br />
[07]　日々溜まっていく疲れはどのように癒していますか？<br />
「写真を撮ったりして。&hellip;&hellip;その途中で馬鹿副部長に遭ったりすると、癒しが疲れに早代わりするけどね！」<br />
&nbsp;<br />
[08]　1日のうちで最も落ち着く時は、どんな時でしょうか？<br />
「やっぱり写真撮ってる時かな」<br />
&nbsp;<br />
[09]　自分の性格が原因で体を壊してしまったことはありますか？<br />
「無いけど、胃痛がしたり頭痛がしたりする時は、ある」<br />
&nbsp;<br />
[10]　自分が疲れてしまった時、人の手を借りることはありますか？<br />
「むしろ借りたいです！　とっても！」<br />
&nbsp;<br />
[11]　あなたを心配してくれる方は周りにいらっしゃいますか？ いるなら、お名前を教えて下さい。<br />
「し、心配&hellip;？　えーと&hellip;&hellip;&hellip;イオリ、とか？　普段は思いっきり愉しんでくれちゃってるけど、いざとなったらやっぱり何かと世話焼いてくれるよ。あとは冬夜。苦労人仲間だから。姉がアレだし」<br />
&nbsp;<br />
[12]　（&uarr;続き）その方にはどんなことを言われることが多いですか？<br />
「イオリには『さっさと休みなさいよ～』とか、笑って言われるかな。冬夜は『大丈夫か？』って。&hellip;&hellip;&hellip;なんでわかるかな、あの人」<br />
&nbsp;<br />
[13]　これがあると頑張れる、と思うようなものがありましたら教えて下さい。<br />
「写真！　空の写真は宝物です。見ると元気になる。&hellip;撮った人のこと考えると、アレだけど。でもあの写真は素直にすごいと思うよ」<br />
&nbsp;<br />
[14]　突然ですが、普段仕事が多い分、急にスケジュールが空いてしまうと困ってしまいますか？ また、実際にすることがなくなったら何をしますか？<br />
「全く困らない。むしろ万々歳。とりあえず写真を撮る。撮りまくる。それか資料室の掃除だな。いい加減に片付けなくちゃ。新入生がアレ見ただけで逃げる」<br />
&nbsp;<br />
[15]　ここだけの話、何故自分だけがこんなに苦労しているんだろうと思うことはありますか？<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;まあ。でも、そこまで苦労してるつもりはないんだけど。むしろ、迷惑を掛けてるって面もある、し」<br />
&nbsp;<br />
[16]　愚痴をこぼしてしまった経験は？<br />
「こぼすっていうか&hellip;叫ぶことはあるかな。うん。本人の前で叫びます」<br />
&nbsp;<br />
[17]　やっぱり、「何かを一生懸命頑張っている時」が最も自分らしいと思いますか？<br />
「え？　い、いや思わない。あたしはやっぱ基本、面倒くさがりだから、一生懸命とかそういうのは&hellip;&hellip;その&hellip;&hellip;&hellip;」<br />
&nbsp;<br />
[18]　逆に、どんなことをしている時が自分らしくないと思いますか？<br />
「さあね。どうだろ。たぶん全部放棄して逃げちゃったりとか、そういうことをもししたら、それって自分らしくないと思う。その時はきっと自分が一番沈むな」<br />
&nbsp;<br />
[19]　今後の予定を教えて下さい。<br />
「とりあえず、部活に行く。これからミーティングだし―――ってそうだ！　ミーティングだよ！　やばい行ったら資料室汚れてたとか嫌だ絶対ただでさえすごいことなってんのにあれ以上とかほんとに本気で勘弁してよ」<br />
&nbsp;<br />
[20]　では最後に、質問に答えた感想をお願いします。<br />
「え？　感想？　ないよそんなの！」（意識は既に資料室に向いている模様）<br />
&nbsp;<br />
[--]　お疲れ様でした。これからもお体を大切にして下さいね。<br />
「はいありがとうございましたそれでは！」<br />
&nbsp;</p>
<p style="text-align: center; line-height: 200%">&nbsp;質問提供元（<a target="_blank" href="http://99.jpn.org/ag/">あなぐら</a>）<br />
&nbsp;<span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a></span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.０　水の都にて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%90%E3%80%80%E6%B0%B4%E3%81%AE%E9%83%BD%E3%81%AB%E3%81%A6/%E8%8B%A6%E5%8A%B4%E4%BA%BA%E3%81%AB20%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F</link>
    <pubDate>Sun, 13 Dec 2009 06:43:57 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>姉弟二人に20の質問</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">[--]　ようこそいらっしゃいました。お2人とも、今日はよろしくお願いします。<br />
夏「お～、よろしくよろしく！」<br />
冬「よろしく。&hellip;しかし姉貴、あんた全く違和感なく馴染んでるが、これ一体なんなんだ？」<br />
&nbsp;<br />
[01]　お名前をひとりずつお願いします。<br />
夏「夏夜だ。夏の夜でカヨって読む！」<br />
冬「加嶋冬夜」<br />
夏「あ、こいつの名前は冬の夜、な。秋生まれなのにな。はははっ！」<br />
&nbsp;<br />
[02]　どちらがお姉さんですか？ また、年齢差はどのくらいですか？<br />
夏「アタシだな。むしろアタシが姉じゃなかったら怖いな」<br />
冬「まあな」<br />
夏「&hellip;お前もっとなんか言えよなあ」<br />
&nbsp;<br />
[03]　容姿は似ていますか？<br />
夏「さあ？　似てんの？」<br />
冬「利央が言うには、目の形が似てるとさ」<br />
夏「へえ。自分じゃ分からないね。色が違う所為か？」<br />
&nbsp;<br />
[04]　身長は何センチ差ですか？<br />
夏「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;」（隣を見る）<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;」（同じく隣を見る）<br />
夏「同じ位だが、お前の方がちと高いか？　何気に腹立つ事実だな」<br />
冬「腹立たれても困るんだが&hellip;。大体どっちも１７０超えたくらいか。差はせいぜい３，４センチだろ」<br />
&nbsp;<br />
[05]　性格面で大きく違うところがあれば、教えて下さい。<br />
夏「お前は静かだよな～」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;姉貴と比べると、大抵のやつはそうだと思う」<br />
&nbsp;<br />
[06]　ご姉弟の仲はいい方ですか？<br />
夏「良い方なんじゃないか？」<br />
冬「まあそうだろうな。特に喧嘩することもないし」<br />
&nbsp;<br />
[07]　周りからよく言われることはありますか？<br />
夏冬「「似てない」」<br />
&nbsp;<br />
[08]　お互いを何と呼んでいますか？<br />
夏「冬夜。それか、お前」<br />
冬「姉貴」<br />
夏「お姉様、でも良いぞ？　存分に崇めろ」<br />
冬「&hellip;断る」<br />
&nbsp;<br />
[09]　お互いの趣味や好きなものは知っていますか？<br />
夏「うーん。そうだなあ&hellip;&hellip;&hellip;お前、数学好きだった、よな？」<br />
冬「ああ。あんたは面白いことがとにかく好きだよな」<br />
夏「おお、よく知ってたな！」<br />
冬「&hellip;誰だって知ってると思う」<br />
&nbsp;<br />
[10]　お姉さんは弟さんとよく遊んであげましたか？<br />
夏「うん。そうだな。遊んであげてたぞ」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;（むしろ&ldquo;遊ばれてた&rdquo;んだが）」<br />
夏「ん？　なんか言ったか？」<br />
冬「いや、何も」<br />
夏「そうかあ？　なんか聞こえた気がするんだが&hellip;&hellip;ま、いいか」<br />
&nbsp;<br />
[11]　弟さんはお姉さんの言うことをちゃんと聞いていましたか？<br />
夏「聞いてたぞ！　良い子だったよなあ、ほんと。だから外行く時も大抵一緒だったな」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;（返事する前に連れ出してたくせに）」<br />
夏「ん？」<br />
冬「なんでもない」<br />
&nbsp;<br />
[12]　何か小さい頃の思い出を聞かせて下さい。<br />
夏「そうだな～&hellip;&hellip;あ、そうだ。お前一回溺れた時あったろ。川で」<br />
冬「あ～。らしいな。憶えてないが」<br />
夏「そうか。そりゃ良かった」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&ldquo;良かった&rdquo;？」<br />
夏「いや、今だから言うけどさ、あれアタシが落としちゃったんだよね、川に」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;。まあ、結果的に無事だったから良いか」<br />
夏「お、そうかそうか！　それじゃその件に関してアタシに罪はないってことで！」<br />
冬「そこまでは言ってないが？」<br />
&nbsp;<br />
[13]　昔と変わったな、と思うところはそれぞれありますか？<br />
冬「無いな」<br />
夏「お前&hellip;&hellip;初めてアタシより先に喋ったと思ったら、それか。まあいいけどな。お前も昔っから変わってないな。や、背とかは伸びたけど」<br />
&nbsp;<br />
[14]　それぞれ、「弟思いだね」「お姉さん思いだね」と言われたことはありますか？<br />
夏「小さい頃はあったぞ。ほら、お前を外に連れ出してた頃」<br />
冬「へえ。俺は無い」<br />
夏「大丈夫だ！　それでもお前の想いはちゃんと姉にはちゃんと伝わってるぞ！」<br />
冬「&hellip;伝わってなくても良いけどな、別に」<br />
&nbsp;<br />
[15]　お互いの顔が頭に浮かぶ時はどんな時ですか？<br />
冬「利央の叫び声が聞こえた時」<br />
夏「だからなんでこういう時だけ先に発言するんだお前」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;」<br />
夏「え？　自分で考えろって？　あー&hellip;まあいい。アタシは&hellip;特にないな、そういうことは」<br />
&nbsp;<br />
[16]　2人っきりになったらどのような会話をしますか？<br />
夏「今みたいな会話だろ」<br />
冬「無い時もあるけどな。始終無言。そういうのは、割と珍しいが」<br />
夏「そうだな～」<br />
&nbsp;<br />
[17]　双方の誕生日にはお祝いをしたり、プレゼントをあげたりしますか？<br />
夏「特別祝うことはないが、ケーキは買ってく」<br />
冬「それはあんたが食いたいからだろ？」<br />
夏「そうとも言う」<br />
&nbsp;<br />
[18]　連絡は細かく取っていますか？<br />
夏「取る必要ないからな」<br />
冬「同じ学校内にいるし、な」<br />
夏「部活も同じだし。帰る時はばらばらだし。&hellip;ああ、偶に一緒の時には連絡してるな。それくらいか？」<br />
冬「それくらいだろ」<br />
&nbsp;<br />
[19]　ここだけの話、相手の弱味や秘密を握っていたりしますか？<br />
夏「お前の秘密なんて、アタシ握ってるのか？！」<br />
冬「訊かれても困る」<br />
夏「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;アタシの弱みやらは握ってないよな&hellip;？」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;トマ、」<br />
夏「言うな！」<br />
&nbsp;<br />
[20]　最後に、お2人でメッセージを交わして下さい。<br />
夏「冬夜、今日の夕飯の当番、お前だったよな？　アタシはカレーが食べたい気分だから、よろしく」<br />
冬「&hellip;&hellip;&hellip;それは今言うことか？」<br />
夏「今言わなくていつ言うんだ！」<br />
冬「&hellip;&hellip;。まあいい。わかった。カレーな」<br />
&nbsp;<br />
[--]　お疲れ様でした。これからも仲良く過ごして下さいね。<br />
夏「お～。&hellip;&hellip;&hellip;ところでこれ、なんだったんだ？」<br />
冬「&hellip;今更すぎる疑問だな」</p>
<p style="text-align: center; line-height: 200%">&nbsp;質問提供元（<a target="_blank" href="http://99.jpn.org/ag/">あなぐら</a>）<br />
&nbsp;<span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a></span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.０　水の都にて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%90%E3%80%80%E6%B0%B4%E3%81%AE%E9%83%BD%E3%81%AB%E3%81%A6/%E5%A7%89%E5%BC%9F%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%AB20%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F</link>
    <pubDate>Sun, 13 Dec 2009 06:40:00 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>Ａｃｔ.６－４</title>
    <description>
    <![CDATA[<p style="line-height: 200%">　ガララッと、いつものようにドアを開ける。<br />
　今日は後ろに二人がいない。ちょっとした用事&hellip;&hellip;っていうか、単にジュースが飲みたかっただけなんだけど。売店が遠回りしなくちゃいけないところだったから、先に行ってもらっていた。<br />
　だから、つまり資料室には当然先に着いているはずである。はずなのなら、頼むからあたしが来る前にこれ、止めて欲しかった。イオリはしょうがないとして、冬夜。この人まで相手にしてたらあたしが持たないから、身内のことは身内でどうにかしてよ。と、言いたいんだけど&hellip;&hellip;&hellip;言っといた方が良かったか？　これまで言わなかったことを少し後悔。<br />
　そんな思いを押し込めて、なるべく静かに、問う。<br />
「&hellip;また&hellip;今度は&hellip;&hellip;何、やってるんです？」<br />
　久し振りに、頭痛がした。<br />
　気のせいだろうか。ここへ入る時の台詞は、「失礼します」という至極普通のものよりも、こういった類のものの方が多い気がする。<br />
　多くなくて良いんだけどね、全然。むしろそっちの方が嬉しいんだけど&hellip;&hellip;嬉しいのに、なんだってこう&hellip;言わざるを得ない状況を作ってくれるんだろうね、ここの部の人（一部）は！<br />
「いや、掃除&hellip;しよっかな～！　なんてな～！」<br />
　あははははっ、と引き攣り顔で笑う夏夜先生に、はあっと大きくため息を吐いた。<br />
「夏夜先生、あのですね、その心意気はとても嬉しいんですが、あなたの掃除は逆に汚すことになるので、頼みますからあなたはまずこれ以上汚さないという意識を確り持ってください。むしろそっちを重点的にお願いします。―――わかりますよね、あたしの言ってること」<br />
「&hellip;はい」<br />
　珍しく素直に頷いた夏夜先生の姿に、けれどいつもがいつもだから「ほんとかなあ&hellip;？」と疑問が浮かんでしまった。浮かんだことに、またため息。これって教師と生徒のあるべき姿から掛け離れているような気がする。せめて逆じゃないか？　うん、せめて。教師じゃなくて、某先輩にも言えるんだけど。<br />
　資料室を見回す。どうやらそこまで酷くはないようだ。&hellip;いや、元々酷いんだけど。<br />
「もう良いですから。今持ってるそれ貸してくださ――――ってこれなんですか」<br />
　これ以上変なところに物を置かれてはたまらない。とりあえず持っている資料を受け取ろうとして、机の上に無造作に置かれた例のブツが目に入った。いつだったかもあたしを苦しめた、ソレ。<br />
「え、なにって&hellip;&hellip;&hellip;クラッカーだけど」<br />
　馬鹿だなあ、そんなこともわかんないのか。と笑う夏夜先生を相手にして、思わずいつもの調子で叫んだ。<br />
「見ればわかりますよ！　あたしが言いたいのは、なんでこれがまたここにあるかってことです！」<br />
「え、クラッカーで鳴らす以外で何か用途が？」<br />
「そういうことじゃないですってば！　大体っ、写真部の活動のどこにクラッカーが必要なんですか！」<br />
「それをいうならコーヒーだって必要ないだろ」<br />
「コーヒーは良いんです、コーヒーは！　飲むから！　ちゃんとここにある意味があるでしょう、とりあえず！」<br />
　まあ確かに、あることはおかしいんだけど。<br />
　こういう時だけ正論を述べてくるのは止めて欲しい&hellip;&hellip;。<br />
「これだってあたしが鳴らすっていう理由があるぞ！」<br />
「鳴らすなっ！　ていうか鳴らす気だったんですか！？」<br />
「じゃなきゃ持ってきてないだろ～？」<br />
「なんでそんな自慢げに&hellip;&hellip;&hellip;」<br />
　途中からなんかもう叫ぶのも疲れてきて、はあ&hellip;とあたしはこの部屋に入って何度目かのため息を吐く。<br />
「とにかくこれは持ち帰って今後一切ここに持ち込まないでください、ね！？」<br />
「えー」<br />
　なんでそんな不満げな声？<br />
　半眼で睨んでいると、ふっと夏夜先生がこちらを見た。その瞳に真剣な光があって、<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;どうかしました？」<br />
「いや、」<br />
　くす、と夏夜先生は笑うと（いつものような悪戯っ子のようなソレではなく、何故かひどく柔らかかった）、ぽんと人の頭に手を乗せ、撫でる。<br />
（何がしたいんだ、この人&hellip;&hellip;&hellip;）<br />
　わけがわからない。<br />
　そう思いながらも、嬉しそうに笑っている夏夜先生の手を振り払うことは、何故だか出来なくて。結局、されるがままの状態で、暫く停止。まあ、暴れられるよりかは良いか。<br />
　そのまま放っていると、すう、と顔を寄せられ、耳元で小さく囁かれた。<br />
「&ldquo;今度は&rdquo;沈んでないみたいだな」<br />
　その言葉に、何が含まれているのかすぐに悟り、カッと顔に熱が集まる。<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;おかげさまで」<br />
　半眼になって、苦し紛れにそんな言葉を返す。<br />
「アタシは何もしてない。さっきのも、別に嫌味で言ったんじゃないから、素直に喜んどけ」<br />
「はあ&hellip;&hellip;」<br />
「でももし沈むなら、一人で沈むのはダメだぞ、利央～？」<br />
「&hellip;考えときます」<br />
　適当な返事をしてしまったのは、夏夜先生の言っていることが理解出来なかったからでも何でもなく、ただ単に気恥ずかしかったからだ。<br />
　なんだかなあ、と思う。いつもは子供子供しているのに、なんだってこういう時にそういうことを言うかな、この人は。なんだか納得いかない。むう、と眉を寄せていると、夏夜先生はいつもと同じ悪戯っ子のような笑みを浮かべて、ぽんぽんとまたあたしの頭を叩くと、<br />
「そんじゃ皆で外行くかーっ」<br />
「は&hellip;？　外、ですか？」<br />
　一体何がしたいんだこの人は。<br />
　と、答えを求めるべくその弟の方に目を向けてみるが、長い付き合いといえど、やはりその突拍子の無い思考回路についていけるほどではないらしく、その仏頂面を更に顰めて、実姉を睨んでいる。<br />
「えーっと&hellip;ミーティングは？」<br />
「それに皆といっても、私たち以外の人間がまだ来ていないんですが」<br />
　その『私たち』というのは、二年生と顧問、という意味だ。一年と三年が不在。それで『皆』というのは流石におかしいだろう。<br />
　揃って首を傾げると、ああそういえば言い忘れてたけど、と夏夜先生はぽんと手を打つ動作をしてみせ、<br />
「他の奴らはもう外出て待ってるから」<br />
　&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;は？<br />
　え、何&hellip;&hellip;&ldquo;待つ&rdquo;？<br />
「聞いて、ないんですけど&hellip;」<br />
「言ってないからな！」<br />
　はっはっはっ、と豪快に笑う夏夜先生に、頭が痛くなって、米神を押さえた。<br />
　ていうか、それじゃなんであなたは掃除を始めようとしてたんですか。外出るのに。わけがわからない。いや、元々よくわからない人だったか、この人は。<br />
　結局そういう結論に行き着いて、考えるのを止めた。深く考えたら深みに嵌って余計な精神的疲労が増えるだけだ。そういうことだけはこの一、二年で確り理解してしまった。&hellip;どうなんだろう、この高校生活。<br />
「それで、行かなくて良いの？」<br />
「え？」<br />
「え、じゃなくて。待ってるんでしょう？　皆。何をするか知らないけど、それなら私たちも急いだ方が良いんじゃない？」<br />
「そうだな。待たせるのも悪いし」<br />
　その言葉に思い出す。そうだった。早く行かなくてはいけないんだった。短時間でこうも綺麗に忘れるなんて&hellip;。<br />
「まあ文句言われたらそん時はそん時だろー。資料室が散らかってたから片付けてたら遅れましたとでも言っておけば良いさ」<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;いつものことなんですけど、資料室が散らかってるのは」<br />
　これでも精一杯片付けてるんですけどね！　なんでか綺麗にならないんですよね！<br />
　半眼になって夏夜先生を見れば、けれど本人はその視線にすら気付いていないらしい。クラッカーを持って一番に資料室を出て行く。その方が良い。少なくともあたしよりも先に出てくれた方が良い。――――ってなんでクラッカー！？　そりゃ置いてかれても困るけど&hellip;&hellip;。<br />
　そうこうしている間に、イオリもその後に続く。<br />
「まったく&hellip;」<br />
　ぽつりと呟いた言葉は、冬夜の耳に届いたらしく、同じく部屋を出ようとしていた彼は、振り返って怪訝そうな顔をしてみせた。<br />
「なんでもないよ」<br />
「そうか？」<br />
　&hellip;前から少し思って思っていたけど、冬夜は実は心配性なんじゃなかろうか。といっても仏頂面・無表情のどちらかだし、あまり押し付けがましいものでもないから、気にはならないが。むしろ心地良いくらいだ。<br />
　ふっと、自然に頬が緩み、けれどすぐに引き締めた。思い出したからだ。&ldquo;写真部が外に全員集合&rdquo;？　いや、&ldquo;全員&rdquo;は問題ではない。その全員の中にいる二名に限定される。<br />
（あまり厄介なこと考えてないと良いけど、副部長と夏夜先生。&hellip;&hellip;まあ、今回は最初から逆井先輩もいるし、そこまで変なことにはならないと思うけど）<br />
　多少楽観しながら、あたしは部屋を後にした。</p>
<p align="center"><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/3/"><font color="#3366ff">&larr;BACK</font></a><font color="#3366ff">　　 </font></span><span style="font-family: Arial"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/0/"><font color="#3366ff">MENU</font></a><font color="#3366ff">　　</font></span><span style="font-family: Arial"><font color="#3366ff"><a href="http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/Category/7/5/">NEXT&rarr;</a></font><br />
</span></p>]]>
    </description>
    <category>Ａｃｔ.６　そして空を見上げて</category>
    <link>http://iwa1soramiage.blog.shinobi.jp/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%E3%80%80%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E7%A9%BA%E3%82%92%E8%A6%8B%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%A6/%EF%BD%81%EF%BD%83%EF%BD%94.%EF%BC%96%EF%BC%8D%EF%BC%94</link>
    <pubDate>Sun, 13 Dec 2009 03:01:48 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">iwa1soramiage.blog.shinobi.jp://entry/65</guid>
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    </channel>
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